起訴〜公判手続
Q1 :起訴とは何ですか?
1 : | 起訴とは,検察官が,特定の刑事事件につき裁判所に裁判を求めることをいいます。 起訴するかどうかは,検察官が,警察・検察官による捜査を踏まえて,被疑者が罪を犯したとの疑いが十分にあるかどうかや,犯人の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状,犯罪後の情況(反省の有無・示談の成否等)などに照らして,起訴をするかどうかの判断をします。 |
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Q2 :家族が逮捕・勾留され,起訴されました。起訴された後も身柄拘束が続けられるのですか?
2 : | 捜査段階で逮捕・勾留されていた被告人が起訴された場合,起訴後も引き続き被告人として身柄を拘束されることが多いです。起訴後の勾留の期間は,2か月間で,その後,1か月ずつ更新されることがあります。また,起訴後,身柄拘束の場所が,警察内の施設から,拘置所と呼ばれる施設に移ることがあります。 また,起訴後は,保釈を請求することができ,保釈が認められた場合には,被告人の身柄が釈放されます。 |
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Q3 : 保釈とは何ですか?
3 : | 保釈とは,保釈保証金の納付を条件として,被告人の身柄を釈放し,もし,被告人が裁判所の呼出しに応じなかった場合,裁判中に逃亡した場合,証拠を隠滅したりした場合等には,再びその身柄を拘束するとともに,納められた保証金を取り上げること(没取)ができる制度です。 保釈の請求は,起訴後であれば,公判が始まる前でも後でも,判決が確定するまではいつでもすることができます。 保証金の額は,裁判所が,犯罪の性質及び情状,証拠の証明力,被告人の性格及び資産等の一切の事情を考慮して決めます。なお,保証金は,保釈を取り消されて没取されることがなければ,裁判が終わった後には,その結果が無罪でも有罪でも,納めた人に返還されます。 |
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Q4 : 略式手続とは何ですか?
4 : | 略式手続とは,検察官から請求があり被疑者に異議がない場合に,簡易裁判所が,原則として検察官の提出した資料のみに基づいて,公判を開かずに,略式命令により罰金又は科料を科す手続です。 |
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Q5 : 即決裁判手続とは何ですか?
5 : | 即決裁判手続とは,検察官が,事案が明白・軽微であること,証拠調べが速やかに終わると見込まれることなどを考慮して即決裁判手続の申立てをし,被疑者が同意した場合(弁護人がいる場合には弁護人も同意した場合)に,簡易・迅速に裁判を行う手続であり,原則として,起訴から14日以内に公判期日が開かれ,通常よりも簡易な手続で証拠調べが行われ,即日判決の言渡しがされます。 ただし,控訴の申立てをすることができる場合が制限されるなどの制約もあります。 |
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Q6 : 執行猶予とは何ですか?
6 : | 執行猶予が付いていない場合,例えば,「被告人を懲役1年に処する。」という判決が言い渡され,確定した場合には,被告人は,直ちに,刑務所に入ることになります。 これに対し,執行猶予が付いている場合,例えば,「被告人を懲役1年に処する。この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。」という判決が言い渡され,確定したとしても,被告人は,直ちに刑務所に入るわけではありません。 仮に3年の期間内に,再び罪を犯したりした場合には,執行猶予が取り消され,新たに犯した罪の刑に加えて,上記の1年の刑を執行されることになりますが,執行猶予が取り消されることなく3年の期間を経過した場合には,刑の言渡しそのものが効力を失い,将来まったくその刑の執行を受けることがなくなります。 執行猶予は,全ての刑事裁判で付くものではなく,法律上,執行猶予を付けることができない場合もありますし,執行猶予を付けることができる場合であっても,事案によっては,執行猶予が付かない場合があります。 執行猶予付きの判決の場合,保護観察に付して,猶予の期間中,保護観察所の保護観察官や保護司の指導を受けるようにすることもあります。 |
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Q7 : 保護観察とは何ですか?
7 : | 保護観察とは,犯罪をした人や非行少年が,社会の中でその健全な一員として更生するように,国の責任において指導監督及び補導援護を行うものです。 保護観察にはいくつかの種類がありますが,刑事裁判では,執行猶予付きの判決にする場合に,同時に,保護観察に付して,猶予の期間中,保護観察所の保護観察官や保護司の指導を受けるようにすることがあります。 |
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